逆・厩火事_タイガー・ウッズ・クライシスに思う
タイガー・ウッズが無期限の米国ツアー出場自粛を決断したとのこと。
1ダースを超える愛人の存在の噂など、真偽は分からないが、もはやプロゴルファーとしては致命的なスキャンダルとなってしまった模様だ。
あのスーパーショットを見せる天才ゴルファーをもう見れなくなるのかと思うと残念でならない。
個人も企業も有名(ビッグ・ネーム)になればなるほど不祥事を起こした場合の世間の風当たりがより一層厳しくなる。そのため大企業などは法務部門でそのような事件が起きないよう予防するためのリスクマネジメント・プログラムを制定しているところもあるくらいだ。
しかし、上記プログラムの要諦は一人ひとりのマインド・セットにあるだろう。その点では個人であっても変わりはない。要するに人は反社会的な行動をしてはならないと言うことだ。
タイガー・ウッズは既に世間の評判を落とす行為をやってしまった。世間に姿を現さないこともあって、非難はますます高まるばかりのようだが、自身のホームページを通じて自分の非を認めているところ、今後のツアー参加自粛を決めたことなどは、発生後対策としては正しいやり方だと思われる。ただ、ビッグ・ネームであり、事件発覚までファンや人々を欺いてきたものとの印象が強いだけに、世間からの風当たりはやみそうにない。
偉いのはタイガーのかみさんエリン夫人である。「家族とゴルフのどちらかを選べ。」と迫り、タイガーが今後「家族のために力を注ぐ。」と応じるや、夫のために最善と思われる対策を進めているようだ。
夫に最も信頼を裏切られた身でありながら、献身的に尽くすという姿勢には感心する。米国においては、妻は直ちに離婚訴訟を起こして巨額の慰謝料を請求するというのが一般的だろうと思っていたので意外に感じる。そこは愛のかけらも無いお金だけの打算的な関係しかないのだが、エリン夫人は傷ついた夫を救うおうとする愛情を持っているようだ。なお、このような妻の鏡のような女性を長らく裏切っていたということは、一方でますますタイガーの評判をマイナスにするかもしれないが...
さて、落語「厩火事」は、髪結いのかみさんがやきもちを焼いて夫の本音を試す話である。やきもちの対象は夫の愛人ならぬ焼き物(瀬戸物)趣味なのだが、これは自分への愛情と瀬戸物の価値(=お金)を夫に天秤にかけさせるという話であり、何となくタイガー・ウッズ事件から連想してしまった。夫は瀬戸物を手に持ったまま転んで割ってしまった女房に向かって「怪我はないか?」と心配して声を掛ける。かみさんは思わずほろっとする。
エリン夫人は夫の不倫発覚によって、大喧嘩した挙句、最終的に亭主と金とどっちを取るかと迫られたとも言えるだろう。これは厩火事の逆パターンである。結論として、エリン夫人は亭主タイガーをまず選択したようである。なお、、これは同時にお金も取れる権利を留保したことにもなると考えると、極めて困難な状況からの最善のリカバリーショットであったと言えるものの、しかし、厩火事の二者択一に比べるとやや易しい選択であったかもしれない。
ところで、厩火事の落ちは、妻「そんなに私が大事かぃ。」
夫「当たり前だよ。お前に怪我されたら、明日から遊んで酒を飲んでいられなくなる。」である。愛とは時に相手に強いるものである。これからのタイガーの人生の第二幕において幸多かれと祈りたい。
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タイガーはリッチ・マンであり、髪結いの亭主はヒモである。
我が身を振り返ると、金も女も無ければ、遊んで暮らせる身でもない。
「貧乏、暇なし、浮気なし。」
「亭主元気で外が良い。」
「金も要らなきゃ、女も要らぬ。俺はも少し毛が欲しい。」
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