知的財産権

交渉学

 入門

 

推奨する交渉スタイル

 

1) 論理的に交渉する

 

 二分法の罠

 

 合意バイアス

 

 適切な推論(演繹法-ルールを当てはめる;帰納法-ルールを見つけ出す)

 

 「質問」する

 

2) 効果的・効率的な事前準備を行う

 

5つのステップ

 

 状況把握・・・・・・適切な状況把握→適切な戦略→交渉の成功

 

 ミッション・・・・・合意の先にある「ミッション」を見据える

 

 ターゲティング・・・幅のあるターゲティング、アンカリング(Anchoring)回避

 

 BATNA(Best Alternative to a Negotiated Agreement)・・・最善の代替案、BATNAの強化

 

 創造的選択肢・・・・視点を変える

 

3) 問題の創造的解決を目指す

 

 三方よし・・・「売り手」、「買い手」、「世間」の全てを満足させる商売(近江商人)=賢明な合意(Wise Agreement)

 

 クリエイティブ・ネゴシエーション(価値を創造する交渉)

 

(a) 二分法からの脱却

 

(b) クリエイティブ・オプションの創造

 

(c) クールダウン(問題にフォーカスする)

 

 

 

<実践演習>

 

(A) まず自分の強みは何かを考える

 

(B) 自分のミッションが実現できているか否か?

 

(C) 相手が喜ぶ選択肢(相手にとってのメリット)を提示

 

 

 

********************

 

応用

 

コンフリクト・マネジメント

 

コンフリクト・コミュニケーション

 

異文化コミュニケーション

 

プロセス・マネジメント

 

特許の新規性について

基本中の基本のようなことだが、実務上あまり問題になるケースがないと思っていた事柄について検討する機会があったのでメモ。

<その1>

特許法29条に規定する特許要件の新規性について、「公知」(29条1項1号)と「公用」(29条1項2号)の場合を比較すると、後者の方がその要件を喪失する恐れが強いと言える。

物の発明に関し、より具体的なケースに限定し、その特許出願日前にその物(発明品)について自ら(A)新聞発表した場合と(B)販売した場合について比較してみると、

(A)ではその物の発明が「公然知られた」、すなわちその内容が「技術的に理解された」とまでは言い切れない場合がある。

(B)では発明品を購入した人(不特定の譲受人)は発明品を自由に、点検、分解、破壊・分析等ができるため、販売という公然実施(*)行為によって公然知られた状態になる。発明品を見ただけや特徴を知っただけでは、その発明の技術的内容を直ちに理解できないとしても、新規性がなくなったということとなる。

「コカコーラ」の原液組成はどうなのか?という疑問がある。「ブラックボックス技術」も同様である。これらが新規性を喪失しない理由は、それらが特許出願で公開されず「秘密性」を保持している点で異なると考えられる。

また、出願人「自ら」特許出願により公開する意思を示した点と、一方は秘密性を保持する点で相違すると考えられる。(ref. 30条第2項:「特許を受ける権利を有する者の意に反して」)

前者は自ら発明内容を開示する意思を表明しているから「公然知られるおそれがある状況」となろう。なお、特許は発明を公開することで得られる権利であり、公開しないものを特許と主張することはできない。

しかし、(B)でも出願日時点では未だ「秘密性」が保持されているのではないか?

そこは特許法のルールということか?

*:注)特許法29条1項2号の「公然実施をされた発明」とは、その内容が「公然知られる状況」又は「公然知られるおそれがある状況」で実施された発明を意味する。

**********************

<その2>

特許出願公開(公開公報)によって公知となった場合、その明細書に記載され開示された発明(X)には新規性がない。

しかし、その明細書に記載された技術の範囲(上位概念)内であっても、そこに記載や示唆が無い新たな事項を特定したことによって、特有の顕著な効果(α)を奏することを見出した場合、その限定された発明(下位概念)は特許性がある(選択発明)。

また、公開公報の明細書に実質的に記載され開示された物の発明(X)があっても、その後見出された属性に基づき用途(y)を限定することにより特有の効果(β)を奏することを見出した場合、新規性及び進歩性(=特許性)を有する発明(Y)として認められることがある(用途発明)。

【参考】用途発明:ある物の未知の属性を発見し、この属性により、当該物が新たな用途への使用に適することを見い出したことに基づく発明と解される。(特実審査基準)

ここで、上記物(X)と用途(Y)の発明のケースで、物(X)にさらに新たな別の属性があることを見い出し、用途発明(Y)の効果(β)と同時に別の効果(γ)も有する用途(z)発明(Z)を成したとしよう。

この発明(Z)は特許性があるか?というのが問題である。

用途(z)が新規であれば新規性があるし、且つ、新たな特有の効果(γ)も有するので進歩性もあると言える。

では、用途発明(Z)の特許出願日が用途発明(Y)の出願公開日より後であったとしたらどうか?

すなわち、物(X)が公知であり、そのXを使用した用途発明(Y)も公知であるときに、物(X)を使用した用途発明(Y)の特有の効果(β)に加え別の効果(γ)を同時に有する用途発明(Z)は特許性があるか?である。

より具体的なケースで説明すると、

Y=「公知物質Xからなるβ=吸放湿機能を有する吸放湿材料。」が公知・公用であるときに、

Z=「公知物質Xからなるβ=吸放湿機能とγ=消臭機能を同時に有する吸放湿防臭材料。」は特許性があるかということだ。

通常は、ZはYが本来有している属性を発見しただけに過ぎないから特許は与えられないとなる筈である。Zがいうところの効果はYがもともと有していたのだから、Zはその発明の構成において特に新たな技術的アイデアを開示したことにはならないからだ。

ところが、良く調べると、Zの特有の効果(β+γ)は物質Xの中でも特別な理化学的性質を有する物質X’に基づき発現されることが分かった(X≠X’)としよう。発明(Z)は次のよう(Z’)に書き換えられる。

Z’=「特定の理化学的性質を有する公知物質X’からなるβ=吸放湿機能とγ=消臭機能を同時に有する吸放湿防臭材料。」(ただし、X≠X’)

これは特許性が無いとはいえない。

ただし、物質Xの”X’では無い部分”(上記X’が有する特定の理化学的性質を示す以外のX部分)を使用する用途発明(Z)は公知・公用であり、用途発明(Z’)の特許の技術的範囲には含まれない。

しかし、実際上はX’は必ずXの中に含まれるとしたらどうか?

論理的には別特許であるが、実際上においては「ダブルパテント」ということにならないか?

用途発明(Z’)は特許として成立するとしても、用途発明(Z)の実施者に対して権利行使することは不当ということにはならないか?

*****************************

【参考1/2】特許法

第二十九条  産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる。
 特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明
 特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明
 特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明
 特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が前項各号に掲げる発明に基いて容易に発明をすることができたときは、その発明については、同項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。
第三十条  特許を受ける権利を有する者が試験を行い、刊行物に発表し、電気通信回線を通じて発表し、又は特許庁長官が指定する学術団体が開催する研究集会において文書をもつて発表することにより、第二十九条第一項各号の一に該当するに至つた発明は、その該当するに至つた日から六月以内にその者がした特許出願に係る発明についての同条第一項及び第二項の規定の適用については、同条第一項各号の一に該当するに至らなかつたものとみなす。
 特許を受ける権利を有する者の意に反して第二十九条第一項各号の一に該当するに至つた発明も、その該当するに至つた日から六月以内にその者がした特許出願に係る発明についての同条第一項及び第二項の規定の適用については、前項と同様とする。
 特許を受ける権利を有する者が政府若しくは地方公共団体(以下「政府等」という。)が開設する博覧会若しくは政府等以外の者が開設する博覧会であつて特許庁長官が指定するものに、パリ条約の同盟国若しくは世界貿易機関の加盟国の領域内でその政府等若しくはその許可を受けた者が開設する国際的な博覧会に、又はパリ条約の同盟国若しくは世界貿易機関の加盟国のいずれにも該当しない国の領域内でその政府等若しくはその許可を受けた者が開設する国際的な博覧会であつて特許庁長官が指定するものに出品することにより、第二十九条第一項各号の一に該当するに至つた発明も、その該当するに至つた日から六月以内にその者がした特許出願に係る発明についての同条第一項及び第二項の規定の適用については、第一項と同様とする。
 第一項又は前項の規定の適用を受けようとする者は、その旨を記載した書面を特許出願と同時に特許庁長官に提出し、かつ、第二十九条第一項各号の一に該当するに至つた発明が第一項又は前項の規定の適用を受けることができる発明であることを証明する書面を特許出願の日から三十日以内に特許庁長官に提出しなければならない。

【参考2/2】

特許決定公報 特許異議申立事件(異議2003-71906)の異議の決定 

著名人パブリシティー権

著名人が持つ「顧客吸引力」から生み出される経済的利益を得る権利は他人に利用されず、自身が独占できる権利だと言うのがパブリシティー権。

人なら誰もが持つ人格権から派生した考え方。

法律に明文は無いが、最高裁は保護されるべき権利だと初めて判断した。

最高裁が示した基準では次の3類型での無断使用が権利侵害と例示。

(1)グラビア写真

(2)キャラクター商品

(3)広告

報道や評論の範囲を超えていれば違法となる。

無断使用から保護されるのは著名人に限られる。

インターネット上での無断使用については不明。

【参考】

ピンクレディー事件

製法限定説採用

知財高裁は27日大合議審理による控訴審判決でいわゆる「製法特許」の権利範囲について、「出願時に物の構造か特性が特定できていなかった場合」との制限付きで「製法が違う場合は侵害していないと判断すべき」との製法限定説を採用した。

【参考】

弁理士の日々 知財高裁大合議判決「プロダクト・バイ・プロセス・クレーム」の解釈

朝日新聞 協和キリンの侵害認めず=製造方法異なる医薬品特許―知財高裁 (リンク削除されました)

音楽クラウド

クラウド型音楽サービスの特徴は、クラウド内を介して、クラウド内のサーバーにある楽曲をパソコン、スマートフォン、タブレット(多機能携帯端末)など複数の異なる機器で共有できる点だ。米国等では昨年10月以降アップル社がサービスを始めた。

ただし、日本では著作権法に関して、「利用者が一度購入した楽曲であっても、サーバーに手元の楽曲を送信することは「事業者」による複製となる。新たな著作権料支払が必要。」(日本音楽著作権協会(JASRAC)見解)等の権利者側主張があり、サービスの本格展開に至っていない。

1.音楽クラウド配信の仕組み

  (A)事業者で購入した楽曲をクラウド上で保存(iTunesストアなど)

  (B)利用者が所有するCDなどの楽曲データを有料でサーバーに保存(iTunesマッチなど)

  (C)事業者が大量に楽曲をサーバーにアップロード(利用者はそのサーバーに接続して楽しめる)

2.著作権法上の課題

  ①複製行為の主体:著作物を複製する主体。複製者がユーザー、クラウド配信事業者のどちらと評価するのか。間接的な侵害者への差し止め請求を認めるべきか。

  ②私的使用との関係:複製が私的使用にあたるか。クラウド上のコンテンツを利用するのはユーザー自身かユーザー以外でも利用できるのか

  ③公衆性:利用者が「不特定の者または特定多数の者」に該当するか。サーバーが公衆使用のための複製機に当たらないか

*******************************

つぶやきとして

かって携帯電話が無かった頃、言い換えれば固定電話しかなかった頃、ドライブで出掛けているときに家に帰宅予定時刻を伝えたいと思ってもなかなか連絡することができなかった。便りが無いのは元気な証拠である半面、連絡が遅いなどとなると家に残った者は何かあったのではないかと心配することになる。

また、家の電話での通話は家族に聞かれる恐れがあって、掛けるときや掛かって来た時に神経を使ったりしたこともあった。携帯電話が普及してからはそんな神経を使うことは無くなった一方、配偶者や子供たちが誰と何をコミュニケーションしているのかの手掛かりを知る術も無くなった。

どちらが便利かと言えばほとんどの人は現在の方だと言うだろう。

一概に便利が良いばかりとはいえないかもしれないが、それを利用することで新たに様々な楽しみや縁や可能性等が広がる。

世の科学技術の進歩を利用することは人の基本的人権ではないのかなどと思ってしまう。

しかし、そこに他人の権利や環境問題等が絡むと一定のルールも必要となる。

そこは、専門家に任せるとして、新しい技術の利用により、自分のライフスタイルは大きく変わるし、限られた時間や資源を有効に活用できるように思う。

例えば、スマートフォンを持つおかげで、かっての手帳や電子辞書は持ち歩かなくて良いようになった。時計もデジカメも、一部パソコン機能も代替できる。つくづく便利だと思う。

一方ではリスクも大きくなっていたり、案外と新たな不便が生じていたりするのだが、便利になったメリットの方が大きいのではないかと思う。

新しい技術開発が進展すること、そしてそれが普通に利用できるようになることは個人にとって、会社にとって、そして国にとってもメリットを増やすことに繋がるという側面が確かにあると今さらながら思う。従ってできればそのような利用を促進するようなルールが望まれる。

*************************

なお、新技術のリスクに関しては、それを事前に正しく開示し、評価し、公表する態度や仕組み作りが必要だ。経済性や利便性ばかりを優先して、リスクやデメリットという負の側面を隠蔽したり、置き去りにすることは避けなければいけないと思う。

自炊代行問題

読売新聞20120110朝刊(多葉田記者)より抜粋

「自炊」とは、紙の本を裁断してスキャナーで読み取り、自前の電子書籍を作ること。

作家・出版社と自炊代行業者との対立が訴訟にまで発展した。

「自炊代行業者は、客から持ち込まれた書籍の背表紙を裁断機で切り落とし、ページをバラバラにしてスキャナーで読み取り、「PDFファイル」などの電子データにする。これを自社のサイトからダウンロードしてもらうなどの形で客に渡す。1冊100円前後で請け負っている。」

著作権法は自ら使用する目的に限り、自分で裁断機やスキャナーを使って自炊を行うことを「私的複製」として認めている。

作家側の訴えの柱は、不特定多数から発注を募ってスキャンする事業は私的複製に当たらないという点。

一方、代行業者は客以外にコピーが渡ることは無いと強調した上で、「客の自炊を代わりに行うだけで、1対1のサービスの集合にすぎない。私的複製の範囲内。」と反論。

専門家弁護士コメントとして、「業者は客の指示で動く手足にすぎないという『手足理論』は、個人が自分で使う目的に限って例外的に複製を認めた著作権法の趣旨を外れている。」との指摘を紹介。

なお、自炊代行業者が増えた(約100社)背景には日本での電子書籍の点数不足があることも否めない。米国アマゾンが100万点以上の品揃えに対し、日本語で読める電子書籍は約22万点、しかも多くがコミックとのこと。

********************************

この問題はいずれ日本語電子書籍の点数が少ないとの背景が解消されるといった別の形で時間経過により解決されると期待される。

しかし、訴訟については、早目に決着がつけられるのかあるいは争う価値が無くなるまで決着がつかないままとなるか?いずれにしても一旦は何らかの結論が出されるだろう。その場合、手足理論における手足サービス業者とスキャナーやコピー機を製造販売する業者との違いはどうなるのか?

********************************

著作権法については、テレビ番組を録画してユーザーが見れるようにするサービスについて違法との判決が相次いで出されている。これらの判決では、どのような場合が著作権の間接侵害に当たるのか等の問題が残っているようだ。

(余談だが、最新のHD/DVDレコーダーは1週間分の全番組を全て録画できる機種が発売されているとニュースで見た。地上デジタル放送を複数局に渡って同時に録画できると言うのだから結構値段も高いだろうなどと考えた。)

「クラウド」利用技術の拡大に対しても著作権法を含めた法改正が追い付かないと指摘されている。「クラウド」技術は国境を越えての技術情報のやり取りに関して輸出貿易管理上の法的問題も引き起こす可能性を持っているとのこと。

IT技術の進歩により、海賊版が出回り易くなり「著作物創造のサイクル(知の再生産の仕組み)」を害することや各国毎の法規制を超えて情報が行き来する時代となった。

著作物の権利保護に関しては、そのような時代を先取りして著作権者が応分に報われるようなシステムを早期に作り上げることが肝要だろうと思う。しかし、その場合において、著作権が100%保護されるのは難しいだろうと思う。

Youtubeで多数のアクセスを記録したダンスウエディングの動画は著作権者が削除等の措置を要求せず、代わりに使用されている楽曲が買えるサイトへのリンクを張ることを条件に動画サイトへの登録を認めたところ、オリジナル楽曲の売り上げが4倍に増えたとのニュースもあった。

国境を超える管理すべき情報のやり取りの問題は、実に難しい問題だと思う。国の単位を越えて動くお金よりもっと厄介な問題だと思われる。

何らかの国際的な規制を導入しないとコントロールできないと思われるが、それでも完全にコントロールすることは不可能だろう。

続きを読む "自炊代行問題" »

2012年5月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
無料ブログはココログ