経済危機と金融のこと
今朝のNHKニュースで米国リーマンブラザースのCEOに対して、米国民がその自宅まで押しかけて、本人や夫人らしき女性に向かって「金の亡者。お前のせいでたくさんの人たちが苦しんでるぞ。」みたいなことを叫んでいる映像を見た。
米国民は自分なりのやり方ではっきり自分の意見を言うところがあると感じた。
一方、タイの「赤シャツ団」の件、民主主義の本当の姿では無いにしても、自分たちの意見を現政権に対してぶつける姿は、日本人には見られなくなった国民性だと思う。
今年の新入社員についてのロッカールームでの会話を思い出す。
K氏(総務兼務M)「今年の新人もまじめだけど大人しいようですね。元気のよさそうなのは一人くらいでしょうか。」
S氏「この頃はそれが普通になってきましたね。自分の子どももそういう風に育ててきたけど。自分の昔と比べても大分違いますね。昔は学生運動なんてやってた訳ですからね。Nさんの時はどうでしたか?」
N氏「僕が大学に入ったのは、まさに安田講堂が占拠されて東大入試が中止になった時だったよ。」(その時の某国立大卒であるからかなり優秀な成績だったのだろう。)
若者に限らず、年長者含めた大人も総じて日本人はおとなしくなったのではないだろうか。今の時代は一人ひとりが正当な怒りをもっと表してもいい時ではないかと思う。
尤も今より大分以前からそれに似たようなことは言われている。しかし、日本人の国民性は臭いものにはフタ、問題は先送りが常套のようになっている。これは黒船来航のような天地をひっくり返す大事件が起きたときにもそうだったと本で読んだことがある。海に囲まれたことが防衛上の最大の強みとして鎖国政策を採ることが最も安定・安全と思われていた時代に、はるか海上から江戸城にまで大砲を打ち込まれるという想像もしていなかった脅威にいきなり遭遇し、海に囲まれていることが一転最大の弱点になるという大変化に臨んでも、当時の幕府は真っ向からその問題に対処できなかったと。
今回の経済危機に臨んでも、我が国のトップリーダーたちは何のビジョンもロジックも示さないように感じている人が多いのではないか。地方自治体選挙、総選挙と言っても何の変革を期待できるのかと空しいばかりである。せめて、国の政治等を預かる者は諸外国のベストプラクティスにでも学べと言いたい気持ちである。
そのように思っていたところ、今日は非常に良い参考になると思う記事に出会った。経済における銀行等金融機関の使命に関するものである。忘れないように一部抜粋して書き止めて置こうと思うのである。
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マイクロファイナンスと呼ばれるユヌス博士の試みは、従来の援助志向では果たしえなかった貧困層の自助努力を生み出し、バングラデシュばかりか世界の貧困国に伝播している。ユヌス博士とグラミン銀行はこの輝かしい成果のために、2006年度のノーベル平和賞を授与されている。
その借り手の97%は女性であり、彼女たちは30~35ドルというわずかな額を借りることによって自営自立をはじめ、次第に牛や鶏を飼ったり事業規模を大きくして世界最貧困の境遇から自ら脱出している。
博士の言葉
「従来の銀行は金持ちを対象にするが、私たちは貧しい人を。従来の銀行は男を対象にするが、私たちは女性を。従来の銀行は都市で業務をするが、私たちは農村で。従来の銀行は担保を取るが、私たちは取らない。従来の銀行は借り手の過去を調べるが、私たちが興味をもつのは未来だけだ。」そして、「人間には限りない力がある」
(一橋大学イノベーション研究センター長・教授 米倉誠一郎「グラミン銀行とユヌス博士」)
日本や米国では政府によって銀行が救済されても、その銀行からさらに個人や企業に資金が十分に流れるとは限りません。
政府がいくら銀行にもっと積極的に融資をしろと言っても、銀行側としては監督当局の審査に耐えられなくなる等という理由をつけて融資に踏み切らないのです。
結局、日本や米国の銀行は、自分だけが潤ってしまえば、「取りあえずは良し」という考え方なのでしょう。
ところが中国の場合には、銀行がガンガン融資を始めています。前年同月比の7倍の融資額だというのですから見事という他ありません。
(大前研一 今週のニュースの視点より)
渋沢栄一の道徳経済合一説
『論語と算盤』を著し、「道徳経済合一説」という理念を打ち出した。幼少期に学んだ『論語』を拠り所に倫理と利益の両立を掲げ、経済を発展させ、利益を独占するのではなく、国全体を豊かにする為に、富は全体で共有するものとして社会に還元することを説くと同時に自身にも心がけた。
渋沢は、イギリスの堅実な経営精神を導入した。イギリス人アーラン・シャンド著『簿記精法』は、イングランド銀行の重役ギルバートの「銀行業者の心得」を座右の銘として載せている。
「一、銀行業者は丁寧にして、しかも遅滞なく事務をとることに注意すべし。
ニ、銀行業者は政治の有様を詳細に知って、しかも政治に立入るべからず。
三、銀行業者はその貸付たる資金の使途を知る明識あるべし。
四、銀行業者は貸付を謝絶して、しかも相手方をして憤激せしめざる親切と雅量とを持つべし。」
(ウィキペディア及び渋沢栄一HPより)
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