鬼平犯科帳シリーズⅡ_おみね徳次郎&むかしの女
松竹ホームビデオ鑑賞。シリーズⅡ 第1話、第2話。
おみね徳次郎
おみねを宮下順子が、徳次郎を峰竜太が演じる。
お互い盗賊であることを隠しながら、おみねと徳次郎は一緒に暮らしている。徳次郎がおみねの寝顔を見ながらつくづくと思う。「何とも飽きの来ない女だ。」おみねもまた徳次郎とは何となく肌が合うと言いながら、これまでの遊びだけではない自分の気持ちの変化に気づいている。盗人の掟では許されない「惚れてまう。」という奴だ。
おみねはかっておまさの妹分であった。おまさはおみねの幸せを願う。この点、「引き込み女」のおまさの心境と被るものがあるが、平蔵はおみねと徳次郎を別々に捕らえた上で、それぞれの盗賊の頭と一味を一網打尽にしたところで、二人を放免する。また、佐島同心が「おみねを密偵に使っては?」と問うのに対し、平蔵は「おみねはおまさのようにはいかねえよ。おみねがお前に色目を使ったらどうする?」と答え、佐島も納得して退き下がる。
この平蔵にしかできないの特別の計らいがある点が決定的に違う。おまさの歓喜と平蔵に対する感謝は最大になったことだろう。一方、平蔵の密偵としてのおまさの人間としての見方やその心情の理解の深さが味わえるストーリー構成になっている。
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宮下順子は色っぽいおみねを演じている。若い頃は自分のタイプでは無いと思っていたが、今の年になって見ると、なかなかにいい女だと思う。かってその魅力に気づかなかった自分の回りで大いに人気を博していた理由が分かるような気がする。
峰竜太は若くて、現在の彼よりも精悍な感じがするいい男ぶりだ。おみねをなかなか捨てきれない男の弱さが滲み出てくる所を上手く演じていると思う。三枚目より二枚目俳優としても大成したのではないかと思うのだが...
むかしの女
昔平蔵が一緒に暮らしたことがあり、その後姿を見掛けなくなっていたが、今や夜鷹に落ちぶれた老女、しかし可愛らしさを失っていない女おろくを山田五十鈴が演じる。
おろくは最早夜鷹で稼ぐには年を取っていると思い、平蔵は今の自分の身分を明かして、自分の手先となって働かないかと持ちかける。おろくは平蔵のためと懸命に市中の情報を嗅ぎ回り始めるが、やがて悪党の集団に捉えられ強請りのネタに利用され、命の危険に曝される窮地に陥ってしまう。間一髪平蔵が引き連れた火盗改方により悪党一味は捕えられ、おろくも助け出される。うわさと評判で知っていたつもりの鬼の平蔵を目の当たりにしておろくは目を丸くするばかりで声も出ない。おろくはその直後に平蔵に黙って姿を隠す。
平蔵「おろくもそう長い命ではないだろう。猫が死を悟ると姿を見せなくなるように、おろくも....。おろくは本当にいい女だったなぁ。」
このとき笠の内で平蔵は涙を流す。酒井同心は顔を伏せ歩き出す平蔵に付き従って歩き出す。
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山田五十鈴の女優としてのキャリアからくる演技力が滲み出る。黒澤明監督作品の「どん底」の演技は脳裏から離れない。夜鷹仲間のおもんを演じる浅利香津代の底なしに明るい演技も、夜鷹暮らしはしていても生きる楽しさを失わない女の生き様を表現していて光っている。
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