鬼平犯科帳シリーズ_蛇の眼
蛇(くちなわ)の平十郎はこれまで未解決の事件に絡んでいる大兇族である。
江戸は平蔵の取締りが厳しくなり、多くの盗賊は江戸から去っていこうとするが、平十郎は一人になっても江戸に残る覚悟である。
しかし、準備してきた盗(つとめ)は事前に平蔵に知られ、決行の夜は待ち伏せた火盗改方に全員捕まってしまう。
最後の捨て台詞で平十郎は、平蔵に対し、お上への恨みと己の信念を述べる。
平十郎「うじ虫ってのはなぁ、どぶやごみ溜めに湧くもんなんだ。そのどぶやごみ溜めをせっせとこしらえてんのはいってぇだれでぇ!?
お上じゃねえのか?え、鬼平のだんな!
おめえさん、俺達を根絶やしにしようとしてるらしいが、そりゃぁできねえ相談だ。
あっしらの仲間はな、殺されても殺されても、うじ虫見たいに湧いて来るんだよ!
ヘッ、ヘッ、へ。
ざまぁ見やがれ!」
***********
平蔵「どうしたい酒井、浮かぬ顔だな。」
酒井「くちなわの平十郎めが最期に吐きました台詞、柄にも無く妙に気になりまして。」
平蔵「盗人にも三分の理屈という奴だ。」
(中略)
平蔵「お上や俺のやり方を行き過ぎと断じて腹を切れと言うんならいつでも切ってやろう。
世の中の仕組みが俺に手荒な仕業をさせぬようになれば、いつでも引き退がろう。
だが、今はこの俺の他に誰がやるって言うんだい?
ハッ、ハッ、ハッ、ハ」
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