鬼平犯科帳シリーズ_浅草御厩橋&むかしの男
松竹ホームビデオのシリーズから 標題の第18話、第19話を観た。
浅草御厩橋:
正直者の飾り職人でかって平蔵に召し取られたが、親を思う正直な気持ちに許され、今は密偵となっている男が主人公。平蔵に許されて3年が経ち、今は妻も娶って、父親と3人で平穏に暮らしている。彼は錠前を開けることに特別の才能を持つ。彼の父親は越中の出身で、同じく越中出身の大盗賊(つとめの掟を守る盗賊で、急ぎ働きの兇族と区別している。)にその腕を見込まれ、江戸での仕事に誘われる。父親は手を貸せと言い、嫁に息子は盗賊としての別の仕事を持つと明かす。妻は男との離縁を決意するが、男は火盗改方の手先となっていることを打ち明け引き留めるが、大盗賊に協力していることはひた隠す。妻は男に内緒で直接火盗改方に出向き、亭主を捕まえて欲しいと申し出、その代わり減刑をお願いする。平蔵たちは男の動きをつてに大盗賊一味を首尾よく捕まえるが、大盗賊は男だけを秘密の逃げ道から逃がす。火盗改方が見に行くと男が住んでいた長屋はもぬけの殻。そう遠くへは行っておらず、捕まえるのは簡単という酒井同心に対し、平蔵は見逃してやれという。その頃男は、都落ちを嘆く父親と家財道具一式を大八車に乗せ、後ろから押して付いてくる妻に声を掛けながら、元気に峠の坂道を引張って進む。
平蔵の情状酌量に人情味が溢れ出る。本田博太郎が飾り職人の男を演じる。本田はこの頃は少し不気味な雰囲気を持つ役柄が多いが、この作品では正直で優しい心を持ち物事に熱心な若者を演じている。
むかしの男:
平蔵の妻女久栄が平蔵が出張して家を空けているときに事件に巻き込まれる。久栄のむかしの男が現れ、その仲間とともにスキャンダルをネタにすると脅迫して、火盗改方に囚われた仲間の牢外脱出を画策する。最後は久栄の姪っ子を誘拐して人質交換となるが、酒井同心と息子辰蔵の働きで難を逃れるとともに一味を捕らえる。平蔵は帰宅後に捕まった久栄のむかしの男に会う。平蔵ともむかし近所に住んでいた旗本ということで知り合いの男であった。
「久栄を女にしたのは俺だ。」
という男に対し、平蔵は
「お前は久栄をおもちゃにしただけだ。久栄を女にしたのはこの俺だ。女は心から愛さないといけねぇ。」
と話す。
息子辰蔵は遊び盛りで夜稽古と嘘をつきながら女遊びに熱中している。久栄はそれを快く思っておらず、自宅謹慎を命じたのだが、今回の事件で手柄を立てたことから、悪友二人と夜稽古に行くという辰蔵に
「夜稽古にもいろいろと物入りでしょう。」
とかなんとか言って小遣いを渡す。
「おいおい、少しばかり手柄を立てたからと言って、あまり甘やかさん方がよいぞ。」
という、平蔵に対し、久栄は言う。
「男は遊ぶことも大事。私は辰蔵に殿様のような男になって欲しいのです。」
平蔵は苦笑いする。
女との付き合いや妻への愛情の注ぎ方について教えてくれる。自分も若いときにもっとむちゃくちゃ遊んでおけばもっとでかい男になれたのかなと思うと残念である。「ひとつ、息子にはそのようにしてもらおう」かとも思うのだが、親として、冷静に考えれば、久栄の息子の教育についてはさていかがなものかと思われるのである。持って生まれた資質を無視して格好ばかりを真似できない。自分の子供についていえば、おそらく放任していても大丈夫だろうと考えていたら、そのうち親の言うことも聴かない子に育ったようだ。現代はむかしとは違うとはいえ、果たして辰蔵は平蔵のように成長するか...そして我が子らは...。また一方、我妻は夫の愛情に感謝しているのか...?
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